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里桜の本棚
自立性をもつ家具
東京都内の賃貸マンションに本棚を設計した.
読書が趣味の施主は, 収納が十分になく, 読み終わった本をシューズクロークに押し込んでいた. 本を見せて収納できる本棚が欲しいという依頼を受けたが, 賃貸マンションに住んでいることから, 造り付け家具のように建物に合わせたり, 一般的な家具のように壁にベタ付けされるようなものではなく, 家具自体が自立し空間をつくっていくことができないだろうかと考えた.
柱, 梁, 天板という3つの要素を組み立ててつくる形式とし, 梁の方向を交互にすることで裏も表もない立ち方をする. 形は四角形, 円形, 三角形の3種類, 高さもそれぞれバラバラとすることで, 3つの本棚にヒエラルキーを作らず, それぞれが自立性を持つようにした. どのような家に住んだとしても, この3つの本棚が置かれることで, 本棚を基点に様々な活動が広がっていくことを期待する.