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学童クラブ N

間を改修する

多摩ニュータウンにある小学校の中に立つ学童の改修計画である.
この町は, 前ならえをするようにどの建物も南側を向くようにつくられている. 学童は南側の校庭に向かって立ち, 北側の裏山と呼ばれる造成によってできた斜面地を背負っている.北側には裏山へと出られるアプローチをつくり, 裏山での活動を誘発するような佇まいを目指した. 南側には校庭の観客席となるような階段上の犬走を設け, 校庭との関係をつくる. 犬走は裏山からの土留めとして機能するとともに, 裏山へのアプローチとの間に小さな庭を生み出した.
改修の場合, 既存仕上げ部分を剥がして新しく仕上げ直すと, 解体費+仕上げのコストがかかるため, 既存の仕上げをそのままにし, 新しい仕上げを追加するといった, 厚化粧をしていくような方法を考えた.  厚くふかされた壁は, 壁そのものが空間化し, 部屋と部屋の関係を作り出す. 部屋に機能を与えると子供の活動を制限してしまうが, このように間を考えることで, 部屋と部屋, 部屋と外の多様な関係をつくり, それぞれの子どもがそれぞれの捉え方で活動ができるのではないかと考えた. 学童で過ごす時間が子ども達にとって, 学校とも家とも違った自由に生き生きと過ごせる時間になることを期待する.

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